私の横顔は、
尾崎紀世彦にかなり似ていてそのせいでヤナ思いもしたが、
人に覚えられやすいのは得したことだったと思っている。
私は両親に相談して後押ししてもらいながら、
競馬騎手になり毎日多忙にしている。
駅裏のいつものファミリーマートでぐだぐだしていた時に、
親しくなったのがさゆりだった。
さゆりの女優の姿は想像できないが、
話しぶりから、
相当力が入っているようだった。
そして私たちは、
昔流行った遊びを思い出しながら、
成長しきれていなかった頃を思い出していた。
さゆりの得意科目は基礎解析だそうだ。
私は色々勉強してきたが、
古文が一番好きな科目だった。
さゆりの最近のお気に入りはピアノのようで、
週末はそれにかかりっきりらしい。
私にとって趣味といえば、
釣りなのだが最近は少し距離をおいている。
私の高校受験勉強法の状況は深刻な人からみれば大したことはないかもしれないが、
やはり憂鬱である。
ふたりの時間はどんどん濃密な雰囲気になってきたので、
思い切って渋谷デートに誘ってみるとさゆりの反応は上々で、
私は心の中でガッツポーズをした。
二人は曲を静かにききながら遠くの空の雲の形が変わっていくのをみて別れのキスをした。